本日より、2006年度第三回目のアーティスト・イン・スクールが、十勝は、士幌町立北中音更小学校でいよいよスタートしました。
今回も漆(ウルシ)が、活動のレポートをさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
さて今回お招きしたアーティストは、イタリア人で彫刻家のルカ・ローマさん。彼は普段、四国の香川県に在住し、彫刻作品等の制作を行っています。北海道は今回が初めて!あまりに違う文化圏と気候の差に、大きな期待と少々不安を抱えての活動スタートです。
北中音更小学校は、全校児童18名の小規模な学校。
周囲は、畑作や酪農の農家が広がり、とても十勝らしい環境の中にたたずんでいます。広大な十勝平野。まっすぐな道路。空は180°以上見渡せるのではないかと感じるくらい広い。その景観に、ルカさんは唖然・・・。
さて本日は活動初日。
朝、全校朝会で、ルカさんをみんなに紹介させていただきました。
ここで一つ驚かされたのは、この朝会で子どもたちの劇を観ることができたこと。「委員会からのお知らせ」という全校集会ではおなじみのメニューで、いきなりその劇はスタートしました。図書委員会が、本の貸し借りに関して解説し、その方法等注意を促すという内容。なぜか本の神様が登場。台詞の間やタイミングはバッチリ。その抜群の表現力にルカさんも私もびっくり!
全校朝会を終えて、ルカさんは早速今回のアトリエとなる図工室へ。
「マスクファクトリー(仮面工房)」の準備を開始しました。
今回の活動は、子どもたちが大好きな物語から、子どもたちが大好きな童話や、空想で描いた物語からセレクトしたキャラクターをルカさんと一緒に「仮面」として制作します。
いったいどうやって仮面を作るのかな?
子どもたちは準備の時点から興味津々です。
子どもたちが授業の間、アトリエはルカさんだけの制作工房に。
今日はサンプルとなる仮面を一人黙々と制作します。
サンプル作品は、子どもたちのリクエストに応えて某アニメーションのキャラクター。まぁ、とりあえず作業工程と時間を把握するには良いんじゃないですかね。


そうこうしているうちに給食タイム!
この小学校は、ランチルームがあり先生と子どもたちがみんなでお食事をするんです。小規模校ならではの楽しい給食。実はルカさん、給食が初めて。そのシステムに、驚きを隠せない様子。意外なところでカルチャーショックを受けたようです。
お昼休み。
アトリエには子どもたちが、続々と集まってきます。
子どもたちは徐々に仮面づくりそのものに興味を持ち始めたようで、下絵を描いたり、粘土をいじったりし始めました。
特に粘土遊びが好きな子が多く、仮面とはいささか関係はありませんが、面白い作品がどんどんできあがって行きます(なぜか寿司を握る子が多かったのが気になります)。
放課後もアトリエは子どもたちでいっぱい。
みんな粘土遊びに夢中。思い思いの造形物を作っては「ルカさん見て、見て!」と大騒ぎ。
仮面づくりのファーストステップとしては上々の滑り出し。
子どもたちは、初日ですっかりルカさんとも打ち解けたようです。
こうして初日の活動は終了。
夜は、なんと校長先生のご自宅での夕食会にお招きいただきました。
先生達からは、学校や士幌町のこと、このアーティスト・イン・スクールの印象等様々なお話を聞かせていただきました。そしてルカさんからは、イタリアのことや日本での活動など、彼の人生観に触れるお話しがあり、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。十勝ならではのおいしいお料理もたくさんいただきました。ありがとうございました!明日から益々頑張ります。よろしくお願いいたします。