もみじの丘小学校でのおとどけアート7日目。 アーティストの松田さんは、今日まで「もぐら」や「目」をコンセプトに様々なしかけをつくってきました。 そして、7日目を迎えたこの日。 ついにその本筋となるアプローチが見えたようです。 持ち込んだ習字道具から一本の筆を取り出してはしっかりと握りしめ、頭の中に描いてきたイメージを現実で再び描くようにと、彼女は語り始めました。 ![]() 「私が通う教室を作ります。」 思いついたことをつらつらと口にしながら思考整理をしていくことが多いため、どうしても不思議に映りやすい松田さんですが、その姿が今日はどこか勇ましく映ります。 もちろんその発言にも、彼女なりの意図が詰まっていました。 「その教室は、3年1組のコピーなんです。」 ━━━━━━ 今日は20枚ものダンボールを追加で仕入れたこともあり、朝から宇宙人の量産作業に追われると話す松田さん。 ![]() 中休みに覗いてくれた子たちへと次々に声をかけ、着々とシルエットを確保していきます。 ![]() ![]() 中休みが終わり子どもたちが教室へと戻ってからは、淡々とくり抜きと色ぬりを進めます。 黙々と作業していると、突然賑やかな声が「もぐらの教室(仮)」へと近付いてきました。 ニコニコした教頭先生が引き連れてきたのは、なんと保育園児たち。 ![]() 幼い彼らも天井から吊るされた不思議な緑の宇宙人たちに何やら興味津々な様子。 「なにこれーーーーー!!!!!」 「へんなの」 「めがとびでてる!」 「きもっ!!」 と、反応も様々でしたが、不思議がる子どもたちに対して松田さんも負けじと語りかけます。 「宇宙には重力がないんです。なので宇宙人は目で前ならえをします!」 ![]() (一同)「意味わかんないーーーーー!!!!!」 …頑張れ、、松田さん、、! もとより意味まで伝わるとは思っていませんが、「もぐらの教室(仮)」に用意した様々な仕掛けは楽しんでもらえた様子。 ![]() 何よりもこの無邪気さ、かわいい。。。 ![]() さて、昼休みは引き続き宇宙人の大量生産です。 型を取られる側はどんな気持ちなのでしょうね。 ![]() そして、5,6時間目と6年生の図工へお邪魔してきました。 今回は「12年後の自分」をテーマに、紙粘土を用いた立体彫刻を作ります。 漢字の小テストを解き終わった人から制作に移れるというシステムのようで、松田さんもその例外ではないようです。 担任の先生から容赦無くテストを配られてビクビクしながらも、なんとか満点で切り抜けらたようで一安心。 ![]() まずは土台となる針金で型を作っていきます。 これは、、?転びそうな人でしょうか?? 12年後にはきっと転んでいる、と?? ![]() 「12年後くらいだと、小説家になっているかも。」 …? 締め切りから、逃げている人?? ポーズを決めたら紙粘土で早速肉付けをしていきます。 ![]() 乾いたら、色を塗って、完成。 なのですが、乾くまで時間がかかるだろうとしばらく目を離している隙に、、 ![]() 椅子回し、満を辞してここで復活!!! 片手で小説を書きながら、もう片方の手と足で椅子回し。 「今は足で椅子を回せるように練習していますが、12年もすればこれくらい上達しているはず。」とのことです。 6年生や先生たちはすごい、とたくさん褒めてくれていました。 作品に関する質問にもしっかりと回答し、図工は無事終了。 ![]() 休む暇もないまま、放課後を迎えます。 通りがかりに寄ってくれた子どもたちをガッチリと捕まえては、型を取る。 くり抜いては、色を塗る。 たったの4ステップですが、やってみると結構大変なんですよね。 ![]() そして、ついに筆の出番です。 ━━━━━━ ここまでの活動で松田さんが見て、触れ合って、感じてきたこと。 それらをもとに日夜考え続けた結果、彼女が選んだのは、「もぐらの教室(仮)」で、隣の3年1組を再現するということ。 朝に相談を受けた際、数々のアーティスト・イン・スクールを見てきたコーディネーター漆の反応は、じっくり考えた上での「いいと思う。」という肯定でした。 「「教室のコピー」というのは”アートっぽさ”をもつがゆえに、表面的に捉えられる危険性もある。けれども、まっつん(松田さん)と一緒に見てきたこの小学校の現状を踏まえた上で、この教室でそれをやることの意義はとても大きいだろうね。」とも。 ![]() 最終的にどこまで再現できるかはわかりませんが、まずは廊下に掲示してある習字から写していきます。 先生の教え方は同じはずなのに、一人一人異なる特徴で描かれる”木”という字。 それぞれの個性と向き合いながらも、集中して書き進めていきます。 ![]() これが3年1組に掲示されているもので、 ![]() こちらが松田さんが模写したもの。恐るべき再現度です。 ![]() 結局、松田さんはなぜ3年1組のコピーを作り、誰に何を伝えようとしているのか。 少しずつですが、今後皆さんに伝えていければと思います。 引き続き応援よろしくお願いします! サポートスタッフ:花田
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by sair_ais_programs
| 2019-12-07 19:53
| おとどけ/もみじの丘小/松田朕佳
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