活動3日目、深澤頭取は集まってきたとくいのひきだし仲介を始めてみるが、
色々なところでつまづくことになる。
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この日からひきだしの仲介をはじめてみる。
3年生のファッションがとくいな、いちこさんがデザインをあずけてくれた4年生のひろこさんのとくいをひきだしたので中休みに打ち合わせをする。
いちこさんはひろこさんにファッションデザインをお願いしたかったのだが、
ひろこさんは家具デザインをしたいとのことでさっそく交渉が決裂。
別々に活動をすることになる。
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昼の会議では「サッカー」をひきだされた、くにたろうくんと現場監督のせいくんの意見の食い違いも生まれる。
せいくんとしては迷路の中でサッカーが遊べればいいのではないかと提案するが、
くにたろうくんの意見としてはサッカーはサッカーとしてやりたいと発言する。
部屋に作る迷路の中でサッカーをすると、それはもうサッカーではないからというのだ。
しかし今回はそこは妥協してもらい、迷路のなかのサッカーを考えていくことにする。
時間と場所と学校のルールと銀行のルールと何重にも制約がある中でいろいろ考えて形にしていくという、
現実社会でのマネージメントでも同じような悩みが生まれそうだ。
深澤孝史「とくいの銀行西岡支店営業日誌 3日目・12月8日」より
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ある意味、この「つまづき」がこの活動の中で得られる収穫であり、
その収穫をどう料理できるか(場や状況を作り出せるか)が頭取の腕の見せ所でもある。
アーティストが小学校にやって来て活動を行うと、子ども達の「素直な反応」を受け取る。
活動自体の流れや方向をなんとなく読んで(空気を読むというやつですな)、
その場でどう振る舞えばいいのかを考える子もいれば、
自分なりに居場所・楽しむ所を見つけて、勝手に振る舞う子もいる。
この活動を見ていると、公共というもの、自主性が共存する場所、
ということについて考えさせられるのです。
つづく