11月29日(水)
昨日に引き続き、授業時間にクラスごとに活動。
東海林さんから子どもたちにお願いしたことは一つ。
「動きをリレーしていくイメージで」
昨日はまず絵の具をつけないで白い紙の上で色の線を想像しながら動きをシュミレーションしてから本番、子どもたちだけで絵を描きました。
今日の2年生、3年生、5年生はシュミレーションはせず、今度は東海林さんも一緒に紙の上で動きます。
手足に絵の具をつけ約4メートル四方の紙の上で、子どもたちは順番に東海林さんと向かい合います。
はじめは初めてのことにワクワクしながら、いざ絵の具をつけて紙の上に入ると何をすればいいのか迷ったり。
勢いよく飛び込んでみたものの、この後どう動いたらいいのだろうと戸惑ったり。
周りで見ている友だちから回って!なんでもいいんだよ!と声をかけられながら絵の具をつけた手足を紙の上で滑らせます。
その様子をそばで伺う東海林さん。
動きを同調するように、その子がくるりと回ると東海林さんもくるりと回ってみたり、鏡写しのように動きを真似したりします。
動きで話しかけるように接触(コンタクト)していくうちに、返事を返すように今度はその子が東海林さんの動きを真似するように。
足の裏を合わせたり、
相撲を取るようにお互いを見合って、同時に同じ動きをしてみたり、
掛け合いをするように子どもがトンネルを作って、東海林さんがその間を通り抜けたり。
一人の動きから二人の動きに変化していきます。
面白そう!と参加する先生も。
普段しずかな子がとても大きな動きをしたり、逆に普段走り回っている子はゆっくりと一歩一歩動いたり。
最後まで東海林さんに構わず、動き回る子もいれば、ひたすら下を向いて絵の具を塗る子、逃げる子、それぞれの反応があります。
面白いことに、自分の番を終えた子たちが紙の周りでくるくると動きを繰り替えしたり、他の子の動きを真似する様子もありました。
ときどき周りで見ている友だちから「踊るんだよ」と声がかかりました。
その瞬間紙の上にいる子は動きを止めて考えるようにキョロキョロとしました。
「踊る」ってなんなのでしょうか。
東海林さんはこの活動の中で「踊り方」は教えません。
「好きに動いていいよ」と言ったり、「いいね今の動き」と声をかけたり、そうして一緒に紙の上を動きます。
子どもたちは四つん這いで歩き回ったり、寝っ転がったり、しゃがんでカエル跳びをしてみたり。
動き一つ一つは踊りにはみえないものです。
その動きが東海林さんと掛け合い、連続して、立ち上がってくるとそれは踊りに変化していきます。
「紙の上で対峙したときに、目を合わせたり動いたりして気持ちを開くか、それとも閉じるかが、踊りになるか、絵を描くかの境界線なのかもしれない」
全クラスを終え、そう言って手応えを感じた東海林さん。
そして「ちょっと申し訳ないけどみんなからもらった未来は今回は踊らない。みんなが踊って描いた線から、その時感じるものを即興で踊りたくなった」
未来を踊るということで悩み続けていた東海林さんでしたが、この2日間こどもたちと触れ合ううちに、この活動の向かう方向を見つけたようです。
東海林さんの活動も残り2日間となりました。
明日は最終日のお披露目に向けて舞台作りをします!
<おまけ>
中休み、バランスゲームをするふたりとヨガのポーズの東海林さん。
偶然にも集中とバランスのコラボレーションが起こりました。