11月21日(火)
有明小学校にダンサー東海林靖志さんが通う2日目。
週末に雪が降り、景色は一変して真っ白になった朝です。
子どもたちは8時30分までに登校してきます。
その前に今日の段取りを話し合い…とあれ?子どもたちがなかなか来ない。
有明小学校の子どもたちはバス通。今年最初の積雪でバスが遅れたようです。
9時を過ぎたころ一斉に飛び込んできたこどもたち。
「福住からのバスはまだ遅れてるみたい!」
「満員で乗れなかった人もいるって」
「まだ来てない子の楽器もっていって!」
と物凄い勢いで先生と子どもたちの間で伝達がされていきます。
慌ただしい中に生まれる連帯感。
上靴に履き替え、階段に向かう子どもたち。
「え…?」
その目の前には、裸足になり合掌する東海林さん。
気づいた子どもたちは一瞬立ち止まり、少し距離をとりつつ様子を伺い、距離を保ったまま階段を上がっていきます。
東海林さんはダンサーです。
なので朝のウォーミングアップのヨガをしていたんです。
「これ、足に手つく?」
「なにしてるの、ヨガ?」
「うわ、柔らか」
と近づいてくる男の子たちがちらほら。
さて、ヨガで身体も温まったところで、前回に引き続き大きな紙の上に手足に絵の具をつけ踊る用意です。
子どもたちが来る前にもう一度試し書き。
前回は子どもたちから集めた”未来”の絵や言葉を強く意識し、その絵を再現するように身体を動かしていました。
今日はあまりそれに囚われず、普段踊るときのまま、その動きの軌跡が色として残ることを楽しむような心持ちで動いてみます。
東海林さんの静かだけれど力強く、なにかをなぞるような動きが紙の上に色となって浮かんできます。
「うん、前回より良いね」
と東海林さん。
意識ひとつでこんなにも動きに、そしてその軌跡に変化が起きるんですね。
さて、休み時間になり、体育館にボール遊びをしに来た子どもたち。
なんだなんだと集まってきます。
「これなに!絵描いて良いの!?」
「おれやる!」
大きな紙と絵の具を見た彼らの目の輝きはすごいですね。
服を汚さないようにカッパ、軍手、靴下を装着。
さあどうぞ言うと、
全身で飛び込む
一歩足をちょんと置いて色を見る
片足を軸にして回転する
側転する
手形をつける
紙の上で色を混ぜる
などなど
思い切りの良いこと。もう少し躊躇したりするのだろうかと思っていた予想と真逆でした。
身体を動かすことに抵抗がないんですね。
そしてとても激しい。めちゃくちゃとはこのこと。
そして出来上がったのがこちら。
遠くから見ると、なにがなんだかわかりませんが、近づいて一部分を眺めてみると、その軌跡同士の重なりがとても綺麗です。
きっと子どもたちは自分の手足の色が白い紙を染めていくことが楽しいのでしょう。
自分の身体の動きまではきっと意識していないでしょう。
「もう少し身体に意識を向けながらできないかな…」
出来上がった絵を眺めながら、身体の動きについて考えます。
昼休みは、子どもたちと遊ぶ時間。
今日も鬼ごっこ。
なぜか子どもたちのほとんどが鬼になり東海林さんに迫ります。
こういう遊ぶ時間もとても大切。
”遊んでくれる先生じゃない大人の人”から”東海林さん”に徐々に変化していく様子がわかります。
さあ明日はどんな活動になっていくのでしょうか。
<おまけ>
スキンヘッドは子どもたちにとって珍しいのか「なんでこの髪型なの?」「剃ってるの?ハゲてるの?」と
東海林さんの頭は人気です。ご利益があるとかないとか。