約2週間に渡り実施された、深澤孝史のおとどけアート。
ブログを書きながら一日一日を振り返ってみると、
その中で行われていた事と共に、活動という枠が小学校に、
(ひいては公共空間に)もたらすものが見えてきた。
毎回のブログの中に、発見したひとつひとつを結構たくさん書いてきたので
ここで改めて書き連ねることはしない。
その代わりと言っては何だが、
最後に、深澤氏のコメントをもってしてこのブログの締めとしたい。
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今回の活動は僕自身がなにかをなすための活動ではなく、
学校というルール、とくいの銀行のルール、中休み、昼休みという時間の制約のなかで、
それぞれの子どもたちが交差しながらどれだけ自分の活動を同時多発的に具現化していき、
そこからどういった場をつくることができるかの実験だった。
僕のモチベーションとしてはなんだったんだろう。
学校を開くということはどういうことなんだろうと。
今回の活動は、学校という場所で、もうひとつの評価軸をもった場を同時に立ち上げていくということだ。
校長先生が2日目に話していたが、不登校の子がいたら教室にいつか戻ってほしいといっていたが、
それは学校の外せない目標でもあるのかもしれないが、それは学校の限界のひとつとも同時に感じた。
完璧なシステムをひとつ作るのではなく、システムからあぶれても、
いくつかの評価軸を選択できる社会をつくる方が健全ではあるのだろうと。
しかしそんな社会はそんなに簡単にはつくれない。
その上でおとどけアートの役割はなんだろうと考える。
それはもしかしたら、学校を完成された場所でなくすことなのかもしれないと感じた。
形式に当てはめることで、個々の不完全さを補う社会作りではなく、不完全で不安定な個を認めた上で、
責任を個々に委ねる不完全な社会作りを目指しているのではないだろうかと感じた。
それは言い換えると「可愛い社会」といえるかもしれない。
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深澤孝史「とくいの銀行西岡支店営業日誌 より
おわり
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主催/おとどけアート実行委員会
アーティスト/深澤孝史
協力/札幌市、西岡小学校
企画・運営/おとどけアート実行委員会
事務局 一般社団法人AISプランニング
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