終わりに
2月15日(金)。
2012年度最後のおとどけアートが終わった。
それは嵐のように、やってきた!と思っていたら、いつの間にか終わっているのだ。
誰もいない教室の中を見ると、
終わった後の燃え尽きたという充実感と、終わってしまったことへの寂しさが入り混じる。
おとどけアートの2~3週間は、いつもとは異なる時間の流れの中にいる。
子ども達はいったい何を得て、何を学んだのか。
それが分かるのは、今すぐかどうかはわからない。
もしかすると、それが来年かもしれないし、それが10年後、20年後かもしれない。
夢中になって雪にむかった日々を、
彼らが大人になり、親になり、孫を持つ頃に 「ふと」 思い出すのかもしれない。
それは、雪の上に押されたスタンプのように、明日には消えてなくなってしまうのかもしれない。
人生に、少しずつかさなり続ける時間に埋もれ、その跡は見えなくなってしまうのかもしれない。
「雪どけまつり」の最後、
雪歩さんやスタッフが子ども達や関係したすべての人たちに思いを述べた。
別れの寂しさをことばで伝えた学生がいた、
かかわり合えた喜びを伝えた学生がいた、
胸を詰まらせ、 ありがとう のひとことを、なんとか絞り出したアーティストがいた。
それがすべてなのかもしれない。
いつかどこかで、
ではなく、
「今」
この今を、どれだけ夢中に、全力で、いられたか。
それが一番大事なのかもしれない。
おとどけアートを通じて、「最高に楽しい」一瞬に出会えたなら、
人生がパッと光り輝いたのなら、
これから先も、そんな風に人生を楽しみ続けてゆけばいいのだ。
また、新しい雪原にむかって、歩きはじめればいいのだ。
2012年度 おとどけアート ショーリンピックinもみじの森
小川智彦×札幌市立もみじの森小学校
おしまい
<事業クレジット>
主催:おとどけアート実行委員会
共催:SapporoIIproject
支援:札幌市
助成:財団法人文化・芸術による福武地域振興財団
後援:札幌市教育委員会
企画・コーディネート:一般社団法人 AISプランニング