さてこの日は、かんじきを改良するところから始まりました。
というのも、スノーガーデン製作で一番気にしなければならないのは「足跡」。
どうやって、雪面をきれいに残すのか、その悩みが常に付きまといます。
こちらは過去に小川さんが手がけた、雪の枯山水。
※枯山水-かれさんすい・・池や水を用いずに石や砂などにより風景を表現する様式。
京都の石庭なんかはとても有名ですね。
これをよりうまく作るために、かんじきとプラスチックの波板を用意しました。
ドリルで穴をあけ、かんじきと波板を括り付けます。
前例があることをやっているのではないので、
こういったスノーガーデニング道具も常に考えながら試作品を生み出してゆかなければなりません。
さあ、これうまくいくのかな?
まずは試してみよう、ということで早速校庭へ向います。
使う道具は主にこちら。分かりますかね?
まんなかにある白くてごつい枯山水専用スコップです。
作るものは何とも上品なのですが、作るための道具はけっこうごついんですよね。
そのギャップが楽しい所でもあります。
せっせと、作ります。
この作業を一時間しておりましたが、天気は曇り。
どんどん日も落ちてきてせっかく作った雪の枯山水もよく見えません。
んー、自然を相手にするとこういったことがよくあります。
美術館の中の展示とはことなり、自然を相手に作品を作るのでその形は常に変わってゆきます。
だからこそ、失敗もできるし、成功してもやがて消えてゆく。
そんな「はかなさ」を感じることで、生きてゆくことの神髄が見えてくるのかもしれません。
ちなみに、この雪の枯山水を作っている間、何度も何度も小川さんは転んでいました。
プラスチックに雪は滑るんです。
そうこうしている間に、子ども達が帰宅する時間。
「誰のおとーさん?誰のおとーさん?」とたくさん聞かれますが、
転校日まではその存在は「ひみつ」なので子ども達にも「ひみつ」と答えます。
その結果、「げーのー人だ!」とか「ふしんしゃだー!!」とかもりもり騒がれていました。
子どもは無邪気。
そしてこの日は、教職員を対象に20分ほどのスノーガーデニング講習会を行いました。
小川さんの経歴や作品、そしてスノーガーデニングのあらましを説明しました。
当日はスキー学習があったということもあり、お疲れの方もいたと思いますが、
多くの先生方が参加してくれました。
こうして、小学校での活動を盛り上げるためアーティストはもちろんのこと、
先生方も協力してくれるんですからありがたいですね。
さあ、それではそろそろ
「転校」だ!!
つづく