アーティスト・イン・スクール9日目。
今日はいよいよ最終日。放課後にはFUJISANの山開き&新光FUJI雪あかり村の開村セレモニーが行われます。しかし!本日の天気予報は雪時々曇り。朝から吹雪いてかなり視界が悪いです。FUJISANに作った登山道がすっぽり埋まってしまうほど、外は降ったり止んだりの悪天候が続きます。無事行うことが出来るでしょうか・・・。 中休みのチャイムがなると、たくさんの子どもたちがグラウンドへやってきました。すると、4年生と2年生が一緒に雪だるまをつくりはじめました。交流給食ならぬ交流雪だるまです。手が小さくてうまく固めることが出来ない2年生を4年生がサポートしながら、みんなで和気あいあいと雪玉を大きくしていきます。そして今日はなんと特別に中休みを10分延長していただきました!みんな思う存分雪と遊んで下さい! そして保護者のみなさんもこの日のために、家から道具を持ち寄り雪像づくりにチャレンジして下さいました! 今回の活動期間中、積極的に外へ出て遊ぶ子どもたちの姿が増えていったように感じました。雪あかり村の制作だけでなく、雪中ドッジボールや鬼ごっこ等、積もった雪の上でちょっと動きずらそうに息をきらしながら走り回る子どもたちの姿に、なぜか安心感を抱いたのは、私たちだけでしょうか? そして4時間目は、新光FUJI雪あかり村の完成式と河田さんお別れ会を行っていただきました。牧口校長先生からのご挨拶の後、この2週間の様子をスライドショーで振り返りました。 つづいて、今回の活動に絶大なるバックアップをしていただいたPTA副会長さん、育てる会の代表者の方にご挨拶いただき、今日の放課後についてのお知らせをしていただきました。 そして児童会長さんからお別れのご挨拶。気持ちのこもった素晴らしい言葉をたくさんいただきました! そろそろ集会も終わりかと思ったら、校長先生からのサプライズ!河田さんをはじめとした、転校生の私達3人に修了証書を授与していただきました!まさかの展開に河田さんも驚きと照れを隠せない様子。祝卒業! そして河田さんからご挨拶。「小学生時は引っ込みじあんで、700名の前でしゃべれるなんて夢にも思っていなかった」「とにかく今は寂しい気持でいっぱいです」と言葉は少ないながらも、ひとつひとつ噛み締めながら語っていました。 最後は子どもたちから“ビリーウ゛”という歌のプレゼント。アーティスト・イン・スクールが始まるにみなさんに歌っていただいた曲です。この2週間の思い出が歌声に載せてよみがえります。外は吹雪ですが、私達には感動の嵐です。河田さんは感慨にひたっているようでしたが、私は一眼レフカメラで顔を隠しながらの大号泣でした。 そして最後の交流給食を終え、放課後、たくさんの子どもたちが「お願いだからいなくならないで!」「絶対来週も来て!」と河田さんとの別れを惜しんでやってきます。 けれど今日の山開き&開村セレモニーは、子どもたちがの一時帰宅が条件。なのでちょっと辛いですが、しんみりムードの中、みんなに早めに帰宅するよう呼びかけました。外は相変わらず雪が降ったり止んだりの天気です。 天気を気にしながらもセレモニーに向けて本格的に準備を始めます。隣の新光公園で、育てる会のみなさんが開催実施していたチューブ滑りが終了し、保護者のみなさん子どもたちが、グラウンドに続々と集まってくれました! ろうそくを入れる穴あけ作業や、職員のみなさんによる雪あかり村の看板制作も最終仕上げに入り、いよいよ雪あかり村の点灯開始です。 子どもたちオリジナルのあかりは素材や形態が様々。河田さんと一緒に作った灯籠封のあかりは50個以上にものぼりました。また2年生の子どもたちが授業で制作したアイスキャンドルも設置されました。2年生の子どもたちは、特に熱心で、きらきら村(2年生が制作したエリア)にもっとアイスキャンドルを設置したいと、自発的にその制作を志願してきたとのこと。確かに数日前から放課後になると、きれいなキャンドルを作ろうと頑張ってる子どもたちがたくさんいました。ここ数日とても寒い日が続いていましたが、「こんなに寒かったらきっといいアイスキャンドルが出来る」と寒さに対してポジティブにとらえる子どもたちの姿があった、と子どもたちの雪や寒さに対する気持ちの変化を担任の先生が、とてもうれしそうにお話ししてくださいました!これもFUJISAN効果かな? さてさて、そんなエピソード満載のあかりを無駄にしないため、1000個のろうそくを準備!来場者の方に渡して、あかりを灯したい場所に設置していただきました。 17:00を過ぎたあたり、氷点下でも威力を失わないガスバーナーを使い、ろうそくにひとつひとつ火を灯していきました。しかし、この寒さと風の影響で灯した火がすぐ消えてしまいます。これには一瞬不安がよぎりましたが、誰が気付いたのか、ろうそくを入れた穴を、雪玉を作って風を遮るように工夫して埋めていきました。するとろうそくの火はじわりじわりと持ちこたえ、雪像の中から煌煌と光をのぞかせていきました。 新光FUJI雪あかり村に光が灯ったところで、校長先生・新川地区除雪センターのセンター長さんのご挨拶をいただき、空の色が濃くなってきたところでいよいよ山開きが始まります!! 十勝で行っているアーティスト・イン・スクール事業で、転校生として招聘された太鼓奏者の荒川寿彦さんの太鼓の演奏に、会場がしんと静まります。これから何が始まるかと思ったら、休憩所から座禅を組んだウサギの被り物をした男が現れました! 勢い良く上半身裸になったこの方は、同じく十勝のアーティスト・イン・スクール事業で招聘されたパフォーマーの祭太郎さん。「いいかお前らー!!10年後20年後、今日この時この瞬間を忘れるな!思い出せ!河田さんが新光小学校に創ったFUJISANを思い出せ!」と地響きのような低い声でオーディエンスに呼びかけ、気合いのこもった雪上受け身パフォーマンスを体現します。 みんなの熱いエネルギーが触発したのか、なんと、聖なるFUJISANから火の粉が吹き出した!! 火花は観客の真上に降り注ぐように咲き、その度に歓声があがります。 「こんなに近くで見たの初めて〜!!」「冬の花火初めて見た!」と子ども大人に限らず、雪あかり村は花火のあとのふつふつとした興奮に包まれていました。 山開きのあとはお祝いとして、餅まきならぬチョコまき大会!!PTAのお母さん方や女性の先生方が一斉にばらまきます。 そして子どもたちが楽しみにしていた火口のお鉢周り。職員のみなさんや、除雪センターの方々が、「滑りますのでゆっくりお上がり下さい」と注意を呼びかけて下さりながら、たくさんの人々が火口へ吸い込まれていきます。 待ちに待った火口のお披露目。この部分は河田さんが一番こだわったところです。かなりの傾斜で深く陥没しているため、ちょっと足を滑らすと、すぐに火口へ真っ逆さま。大人でも登ってくるのがやっとのこと。子ども以上に大人の皆さんが大興奮です。 まさに、そこは『漂流教室的鉄斎的・一大パノラマの別天地』。この文句は当初河田さんがコンセプト。当初はちょっと不可解なコンセプトでしたが、画像を見てお分かりの通り、美しいというよりは不気味な雰囲気さえ感じられる、まさに漂流教室的空間でした。 6年生の男の子に「見て!あの星がオリオン座だよ」と言われ見てみると、新光小の上空がぽっかりと穴が開いた様に晴れ渡り、3つに並んだ星を確認することが出来ました。今日一日、ずっと雪が降ったり止んだりの不安定な空模様が続いていましたが、新光FUJI雪あかり村に光を灯しはじめた頃から、雪も風も止みはじめました。そのお陰で、来て下さった約500名以上の子どもたちと保護者の方々、そして地域にお住まいの皆様が新光FUJI雪あかり村に集まり、みんな同じ時間を共有出来、同じ感動を分かち合えたことをとても嬉しく感じました。 さて、こうして今回新光小学校で行った河田雅文さんによるトヨタ子どもとアーティストの出会いin札幌「胞服☆絶頂 ゔぉるけーのFUJISANN」は終了しました。 アーティストの河田さんを中心に、子どもたちや新光小学校の職員の皆さん、PTAや育てる会、保護者みなさん、新川地区除雪センターのみなさん、たくさんの方々の思いが重なり、FUJISANに向かってひとつになっていった、そんな思いにかられる2週間でした。 活動を振り返ると、特に今回は、私達をあたたかく迎えて下さった教職員の皆さんの思いに心打たれました。私達の活動や存在に興味を持っていただき、休み時間だけでなく、給食や授業等を通じて、活動しやすい環境を自ら積極的に提供してくださいました。 私達が提案した授業の内容を快く受け入れ、授業の後、子どもたちの変化を自分のことのように喜んで受け止めてくれた先生。吹雪が吹き荒れる中、真っ白になりながら制作する、河田さんの情熱に感動し、「自分も子どもたち対して真剣に取り組もう」と、放課後や休み時間、子どもたちが作った雪だるまを黙々と仕上げていた先生。キャンドルに灯火した17:00頃から後片付けする時まで、最後までずーっと、子どもたちの作ったアイスキャンドルに火を灯し続けていた先生。その一人一人の姿に感動を覚えました。 活動をサポートする立場として、私自身、そうした先生たちの思いに答えることができたか不安でしかたがありません。でも、自分もそういう思いを持った大人でありたい!そして、同じ思いを持った人たちとたくさん出会い、興味や関心のない人たちへも輪を広げることができれば、世の中をもっともっと楽しくできるはず!そんな希望と使命感を抱かせてくれる素晴らしい出会がありました。 最後に、こうした活動を受け入れ、積極的に関わって下さった新光小学校の職員の皆様と、PTAや育てる会、保護者の皆様、通学路の雪を排雪利用し、雪山となった巨大なFUJISANを形成して下さった新川地区除雪センターの皆様など、たくさんの方々にご協力頂いたことを心から感謝申し上げます。ありがとうございました! そしてまさにこの活動に参加したみんなを別天地へ導いてくれた河田雅文さん、2週間どうもありがとうございました。そして、お疲れさまでした!これからもゔぉるけーのな発想で、みんなをわくわくさせて下さいね。 え〜と、これで本当に最後です!実は、トヨタ・子どもとアーティストの出会いin札幌は、今回を持って当初から予定していた全ての活動が終了することになりました。来年度以降札幌でのアーティストインスクール事業は、「おとどけアート」というタイトルで、札幌市の強力なバックアップにより継続していく予定です。 今後とも本事業にお付き合いくださいますようよろしくお願いいたします!!では、また次回の活動をお楽しみに!!(福村)
by sair_ais_programs
| 2008-02-18 12:40
| トヨタ/新光小/河田雅文
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Comments(6)
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mami
at 2008-02-19 12:13
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2週間どうもお疲れ様でした。AISにくださったみなさんの惜しみないエネルギーに心から感謝します。これからも続けていけるようにがんばってください。ありがとう〜!
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shin
at 2008-02-19 23:52
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河田さんはじめみなさん、本当にお世話になりました。みんなの力が渦になって噴火した!感じですね。子供たちはあの山、あかり村、花火を一生忘れないでしょう。ありがとうございました。
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sair_ais_programs at 2008-02-20 18:08
>shinさん
本当に忘れることの出来ない一夜となりましたね。 まさに奇跡の瞬間でした! ありがとうございました。 >美春さん 私たちもとっても楽しかったですよ〜。 卒業しても新光小学校での出来事の一つとしてずっと心に残る思い出にしてもらえたらうれしいです。 また会おうね! 本当にありがとうございました!
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えリな
at 2008-03-09 12:32
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新光の生徒です\(^0^)/だいぶコメント遅れましたが.
私はこの日休んで、見たかった新光FUJIは見れませんでした 涙 でもすごいみんな楽しんでいたようで本当行きたかったです!!笑 ありがとうございました!
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璽瑠
at 2008-03-19 14:40
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新光ショーッガコウの生徒!!璽瑠だよぉ~ん★2週間☆⌒(*^-゜)v Thanks!!・・・・ぁ!遅かったかぁ(´TωT`)ショボボボーン
璽瑠は今日卒業しましたぁぁぁあああ・・・なので新光小とゎ (=゚ω゚)ノシ ばぃばぃょぅ !!・・・ナノデス。 あの日ゎスゴク楽しかったデス(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ 今度は璽瑠の中学校にキテ欲しいなぁ・・・無理か(*´Д`*)ハァ ∧_∧ (´∀`*)ノデヮ!
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小学校にアーティストが滞在し子ども達と交流する事業
by sair_ais_programs
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